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相続について

目次

1.相続税を払わなければならない人
2.相続税がかかる財産
3.相続税がかからない財産
4.相続税の計算
5.相続税の申告
6.相続財産に生命保険金があるとき
7.相続財産に退職金があるとき
8.相続財産に生命保険の権利があるとき
9.相続税がかかる財産の合計の求め方
10.相続税がかかる財産から控除できる債務
11.相続税額計算の基礎控除
12.各相続人の相続税の計算
13.相続税の申告のポイント
14.財産評価のあらまし
15.土地の評価のあらまし
16.動産の評価
17.無体財産権の評価
18.有価証券のあらまし

協力:上中淳行会計事務所
本文書は最新の関連法規等に基づいて記載されておりますが、概要を示しているもので、具体的問題解決には本文の内容にかかわらず専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

1.相続税を払わなければならない人

相続税を払わなければならない人(相続税を支払う義務のある人)は以下のように定義されます。なお、以下の(  )内は法律概念をわかりやすく表現したものですので、実際のケースに照らし合わせる場合は、法律の文言に注意して行ってください。

①日本に住所(生活の本拠)がある人で、日本にある財産やその他の場所にある財産を相続によってもらうこととなった人(すなわち、日本に住んでいる日本人は全世界の相続財産が相続税の対象になる)

②日本人で相続前5年間に日本に住所があり、現在は外国に住んでいて、日本国外の財産を相続によってもらうこととなった人(すなわち、短期的に国外に移り住んだ日本人は、国外で受け取ったものも相続税の対象になる)

③日本に住所がない人だが、日本にある財産を相続によってもらうこととなった人(すなわち、日本にある財産なら外国人でも相続税の対象となる)

以上の定義に従えば、長期的かつ必然的に日本に住所のない人が日本の他に存在する財産を相続によって取得する場合は日本で相続税を支払う必要がないので、自分の子息を海外に住まわせるとともに、相続させる財産も海外に移転させて課税を逃れることを真剣に考える人たちもいましたが、税務署も対処を行い、日本国籍保有者である限り難しくなりました。自分が相続税の納税義務者なのか、課税対象は何かを見極める必要があります。

相続税納税義務者に関する相続税基本通達のポイントを以下にまとめてみました。
・ 上記①の人は全世界の相続財産が課税対象であり、③の人で、日本国籍をもたない人は日本にある相続財産だけが課税対象になります。
・ 被相続人の住所が日本にあるか否かは①及び③には影響しません。
・ 住所は民法に照らして判定されますが、生活実態の客観的事実が鍵となります。
・ 一時的に海外に生活し課税を免れようとすると、租税回避行為としてペナルティーを課されるなど、厳しい処置を受けることとなります。
・ 海外留学の場合、日本国籍をもち、日本に住所のある人の扶養家族である限り、住所は日本にあるものとみなされます。

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2.相続税がかかる財産

相続税がかかる(相続税の課税対象)財産は以下のように定義されます。

①相続した財産
②相続したとみなされる財産

①の財産は「本来の相続により取得した財産」といわれるもので、金銭に見積もることのできる経済的価値のある全てのものをいいます。
・ 物権、債権及び無体財産権に限らず、信託受益権、電話加入権等も含まれます。
・ 法律上の根拠がない営業権なども、経済的価値があれば含まれます。
・ 質権や抵当権などは独立した財産とはなりません。
・ 相続税の申告書では課税財産の種類として以下の区分をしています。
土地、家屋、事業(農業)用財産 、有価証券、現金・預貯金等、家庭用財産、その他の財産

②の財産は相続税法第3条に規定されていますが、具体的に以下のものをいいます。
・ 生命保険金
・ 退職手当金
・ 生命保険契約に関する権利
・ 定期金に関する権利
・ 保証期間付定期金に関する権利
・ 契約に基づかない定期金に関する権利

これらについては、財産評価を税法の規定や通達にしたがって、それぞれ個々に算定します。もらった財産が相続税法上、どうのようにカウントされるかを考えましょう。

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3.相続税がかからない財産

相続税がかからない(相続税の非課税財産)財産で主なものに以下があります。

①墓所、霊廟及び祭具ならびにこれに準ずるもの
②公益事業用の財産
③生命保険金のうちの一定額
④退職手当金のうちの一定額

特に墓所については相続後に取得すると課税対象になりますので、生前に手当てをすべきです。前回同様、相続税法上、もらった財産やもらえそうな財産がどのようにカウントされるかを検討しましょう。

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4.相続税の計算

相続税がかかる財産とそれ以外のもの(非課税財産)の区別ができたなら、相続税額を以下の手順で計算します。

①    課税価格の算定
②    相続税額の総額の算定
③    各相続人の相続税額の算定

①は、〔取得財産額-(被相続人の債務+葬式費用等の債務)〕で求めます。
この計算では、相続人全員が相続により取得する財産で課税対象となるものの時価を合計します。相続税法上の時価とは、財産取得時においてそれぞれの財産の現況に応じて不特定多数間で自由な取引が行なわれる場合に通常成立すると認められる価額をいい、財産評価基本通達に細かい計算方法が示されています。
なお、債務が控除されますが、代表的な具体例は被相続人の債務で相続開始のときに存在していた借金や葬式費用などです。ご案内したように墓所取得のための費用はこの葬式費用に含めることができません。

②の計算では、「遺産に係る基礎控除」(5千万円と1千万円に法定相続人の数を乗じて得た金額の合計)を上記①から控除します。なお、この金額については変更が予定されていますので、注意が必要です。(自民、公明両党は平成25年1月18日、相続税で課税を免除される基礎控除額を現行の5,000万円から3,000万円に引き下げ、課税対象者を増やす方針を決めた、と報道されています。出所:毎日新聞)

「遺産に係る基礎控除」を控除した後の金額を、各相続人が民法に規定する法定相続分により相続したものとして各相続人の取得金額を算定し、それに税率を当てはめて算出した各相続税の合計額を求めます。
たとえば、配偶者と子供二人で1億5千万円の課税価格の財産を相続した場合、「遺産に係る基礎控除」は8,000万円ですので、控除後の7,000万円を配偶者が2分の1、子供が各4分の1もらう法定相続割合を適用すると、配偶者は3,500万円、子供はそれぞれ1,750万円が課税されることになります。相続税率は各取得分の金額が8,000万円以下なら10%ですので、3人合計の相続税額は7百万円なります。

③では、②で算出された相続税の総額を実際に各人が取得する課税価格を全体の課税価格の割合で按分し、各人の納付税額を算定します。たとえば上記例で、配偶者が実際に課税価格の70%を相続し、残り15%ずつを子供が相続すると、各人の相続税額は配偶者が490万円、子供1人につき105万円となります。この算定額に対し、配偶者控除、未成年者控除などの税額控除の適用があればこれを加味し、また相続税の加算があればこれを行ないます。このケースでは配偶者控除により配偶者の納税義務はありません。未成年者控除は、6万円×(20歳-その未成年者の年齢)によって算定されます。

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5.相続税の申告

課税価格合計から遺産にかかる基礎控除を差し引いた金額がプラスの場合、申告をしなければならず、相続の開始のあったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に、被相続人の死亡のときにおける住所地に必要書類を提出します。
なお、一般的に配偶者は配偶者控除により課税されないことになりますが、その場合たとえ納税の義務がなくても、配偶者控除の適用がないものとして計算すると納付すべき相続税額が算出されれば、申告書を提出する義務はありますので注意が必要です。
申告は共同提出することができ、その場合1つの申告書に連署することになります。

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6.相続財産に生命保険金があるとき

生命保険金が相続財産に含まれる場合の注意点は以下です。

①相続税法に定められている保険契約で課税対象となること
②被相続人が保険料か、掛け金の全部または一部を負担していること
③保険金の受取の方法と受取人について相続税が課せられるケースであること
④非課税金額と課税金額の計算を行うこと

①対象となる保険契約の範囲
対象となる保険契約は、国内法に規定される生命保険契約と損害保険契約です。ところで、相続税法に定められていない保険に加入することはあるのでしょうか。実際に海外で生活された方などは国外で加入された生命保険等に帰国後も継続加入している場合があり、これらのケースでは、保険金の受取人が居住者なら所得税法上の一時所得扱いになり、非居住者の場合は日本での課税を免れる可能性があります。このようなことから、海外で生命保険に加入し、受取人を非居住者や非居住法人にするスキームを紹介するエキスパートもいるようです。

②誰が保険料または掛け金を負担しているのか。
被相続人や被相続人の被相続人すなわち先代の被相続人が負担した保険料に対応する保険金が対象となります。(それ以前の先代については相続税以外の課税を受けます)
保険の契約者、被保険者及び保険金受取人が誰であるかにより、相続税、所得税及び贈与税が以下のようにケースバイケースで課されることになります。

契約者(保険料負担) 被保険者(被相続人) 保険金受取人 課税関係
A A B Bに相続税が課される
B A B Bに所得税が課される
C A B Bに贈与税が課される納付のポイント

なお、雇用主(X)が保険料を負担している場合、以下の取扱いが通達に示されています。この場合の被保険者は、従業員(D)と配偶者やその他の親族(E)も想定しています。

(雇用主が保険金を退職金として支給する場合は、次の退職手当金等の問題となります)

契約者(保険料負担) 被保険者(被相続人) 保険金受取人 課税関係
X D E Eに相続税が課される
X E D Dに所得税が課される
X E D or F D or Fに贈与税が課される

(注)Fは従業員及びその被保険者以外の者をいいます。

③保険金の受取と受取人についての基本通達のポイントは以下です。
・ 保険受取人とは原則として保険契約上の権利を有する者に限られ、それ以外の者が受け取った場合は、相当な理由なければ実質的な受取人として判定されません。

なお、国税庁のホームページに以下が示されていますの、参考にしてください。
(質問)生命保険金の受取人が子であったため、子が一旦生命保険金を受け取った後、妻である私と協議して分けることとしましたが、税金がかかりますか。
(回答)子からあなたへの贈与となり、贈与税の課税対象となります。被相続人が保険料を支払っていた生命保険金は、相続税法上のみなし相続財産であり、本来の相続財産ではないため、遺産分割の対象とはならず、契約上の受取人が、相続又は遺贈により取得したとみなされ相続税の課税の対象となります。したがって、契約上の受取人以外の人が保険金を受け取った場合は、その人は、その契約上の受取人から贈与により取得したことになります。(相法3、相基通3-11)

・ 保険金は一時金として支払を受ける以外に、年金の方法により支払を受けるものも含まれます。年金の方法で受け取る保険金については、有期定期金、無期定期金及び終身定期金により課税対象の計算法方が定められています。
・ 保険金は死亡保険金に限られますので、たとえば被保険者の疾病など死亡を伴わない保険金が被保険者の死亡の後で支払われた場合は、この保険金は被相続人の本来の相続財産となります。(次に説明する生命保険金の一定額は非課税財産の適用がありません)
・ 保険金から契約者貸付けが控除される場合は、被相続人が保険契約者であるなら控除後の金額が保険金として扱われ、被相続人以外の者が保険契約者であるなら保険金受取人が控除後の保険金を受け取ることと共に保険契約者が相殺部分の保険金を取得したことになります。
④生命保険金等のうち一定限度額までは非課税財産とされます。
具体的には500万円に相続人の数を乗じて算出した金額との比較になり、この算出額以下の保険金を取得すれば課税はされません。これを超える場合は各相続人の取得した保険金から非課税合計額を受取った保険金で按分した額を控除して課税金額を算出します。これは第9表と呼ばれる「生命保険金などの明細書」という申告書の別表で計算されます。

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7.相続財産に退職金があるとき

退職金が相続財産に含まれる場合の注意点は以下です。

①課税される退職金の範囲は何か
②死亡後支給されるもののうち本来の相続財産となるものがあること
③非課税金額と課税金額の計算を行うこと

①対象となる退職金
被相続人に支給されるべきであった退職手当金、功労金その他これに準ずる給与で、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものが対象となりますが、その名義いかんにかかわらず実質的に支給されるものも含まれます。また、その判断基準としては退職給与規程その他の定めとなりますが、それが配備されていない場合は類似例を勘案して判定されることになります。
被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものとは金額が確定したものをいい、実際に支給される時期が死亡後3年以内であるかは問いません。
また、保険金と同様に一時金として支払を受ける以外に、年金の方法により支払を受けるものも含まれます。課税対象の計算法方も同様の定めがあります。

②死亡後支給されるもののうち本来の相続財産となるものがあること
生前退職した退職金で死亡後支払われるもの、被相続人の死亡後確定した賞与、相続開始の時に支給時の到来していない給与などは、本来の相続財産に含まれます。ただし、生前退職による退職金でも、その金額が死亡前に確定せず、死亡後3年以内に確定したものは相続財産とみなされる退職金等に含まれます。生前退職によるもので、本来の相続財産となるものは、退職金の所得税引後のネット金額が課税財産となりますので注意が必要です。

③退職手当金等のうち一定限度額までは非課税財産とされます。
生命保険金等の取扱いと同様に500万円に相続人の数を乗じて算出した金額との比較になり、この算出額以下の保険金を取得すれば課税はされません。これを超える場合は各相続人の取得した退職手当金から非課税合計額を受取った退職手当金で按分した額を控除して課税金額を算出します。これは第10表と呼ばれる「退職手当金などの明細書」という申告書の別表で計算されます。

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8.相続財産に生命保険の権利があるとき

生命保険の権利が相続開始の時に、
①保険事故が発生していない生命保険契約で被相続人が保険料の全部または一部を負担し、
②かつ、相続人以外の者がこの保険の契約者である
ときは、契約者についてその契約の権利のうち、被相続人が負担した割合に相当する部分を生命保険契約に関する権利として相続または遺贈により取得したとみなされます。

これは、生命保険の解約返戻金の支払を受ける権利があるために規定されたものですので、一定期間内に保険事故が発生しなかった場合において返戻金その他これに準ずるものの支払がない生命保険契約は相続税のみなし財産には含まれません。
生命保険契約に関する権利の評価は、個々の契約による解約返戻金の金額に従って算定されます。(評基通214)
ただし、保険料の全額が一時に払い込まれた場合は、全額に相当する金額によって評価されます。

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9.相続税がかかる財産の合計の求め方

相続税がかかる財産の合計の求め方は〔取得財産額-(被相続人の債務+葬式費用等の債務)〕で求めます。
取得財産額集計のためのチェック項目は以下です。

①相続または遺贈により取得した者の住所がどこにあるか。
②相続または遺贈により取得した物が何であったか。
③遺産が分割済みであるか未分割であるか。
④相続または遺贈により取得した人や財産に特殊事情があるか否か。

①相続または遺贈により取得した者の住所がどこにあるか。
日本に住所があると認められる場合は無制限納税義務者、そうでない場合は制限納税義務者とよばれ、課税財産の範囲が異なります。
無制限納税義務者は相続または遺贈により取得した全世界の財産の合計価額が課税対象となりますが、制限納税義務者の場合は自分が相続または遺贈で取得した財産のうち、日本にあるものだけが課税対象となります。
なお、日本国籍がある者で、直近の5年以内に日本人住所を有しているケースでは、その人が相続時に海外にいると主張しても無制限納税義務者として取り扱われることとなりました。ということは、人と財産が海外に逃げても、日本で課税を受ける可能性があるということになります。

②相続または遺贈により取得した物が何であったか。
物とは財産で、経済価値があり金銭に見積もることができるすべてものをいいます。
具体的に相続税基本通達では以下のように述べています。
(1) 物権、債権及び無体財産権に限らず、信託受益権、電話加入権等が含まれる。
(2) 法律上根拠がなくても、たとえば営業権のように経済的価値が認められれば財産とされること
(3) 質権、抵当権のように従たる権利は、主たる権利の価値を担保し、または増加させるものであり、独立した財産とはみなされないこと

③遺産が分割済みであるか未分割であるか。
相続または遺贈について財産を取得した各人の合計を計算しますので、基本的には各人に実際に分割された遺産を相続税法による評価額で集計します。ただし、実務的に遺産分割が容易でないケースもあり、そのような事情を想定して相続税法は特別な規定を配しています。

④相続または遺贈により取得した人や財産に特殊事情があるか否か。
特殊事情として税法に規定されるもので、一般に適用が多いものに以下があります。
(1)相続開始の年にその相続と同じ被相続人から受けた贈与がある場合
(2)相続開始前3年以内に贈与があった場合
(3)負担付遺贈があった場合
(4)代償分割が行なわれた場合

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10.相続税がかかる財産から控除できる債務

相続税がかかる財産の合計の求め方は〔取得財産額-(被相続人の債務+葬式費用等の債務)〕で求めます。
控除できる債務には、どんなものがあるのでしょうか。

①被相続人の債務
②葬式費用等の債務

①被相続人の債務で課税価格の計算上控除できるもの(債務控除額)
債務控除については、条文は無制限納税義務者と制限納税義務者で異なります。
無制限納税義務者の場合は、相続または遺贈により財産を取得した者が、
(1)被相続人の債務で相続開始に現存するもの
(2)被相続人に係る葬式費用
に関して、実際に金額を負担することになった部分を課税価格算定に当たり、課税財産から控除できるとしています。
制限納税義務者については、相続または遺贈により取得した日本にある財産に関して、以下のものにつき、負担した額を控除できるとしています。
(1)その財産に係る公租公課
(2)その財産を目的とする質権や抵当権等で担保される債務
(3) (1)及び(2)のほか、その財産の取得、維持または管理のために生じた債務
(4)その財産に関する贈与の義務

上記債務は確実なものに限られますが、債務が確実であるかどうかは必ずしも書面の証拠を必要とせず、また、債務の金額が確定していなくても当該債務の存在が確実と認められるものについては、相続開始時点の状況によって確実と認められる範囲で控除することが認められます。なお、既にお話しましたが、被相続人が存命中墓碑を購入し、その代金が未払であっても、墓所、霊びょうが非課税財産となるため、控除債務に該当しません。また、墓所、霊廟には、墓地、墓石のほか、その維持に要する土地や他の物件が含まれます。
債務控除となる公租公課は、被相続人の際債務の確定しているもののほか、被相続人に関わる所得税、相続税、贈与税、地価税、登録免許税、有価証券取引税及び消費税等をいいますが、延滞税や利子税などはこれに含まれません。

②葬式費用
葬式費用として債務控除となるものには以下があります。
(1)葬式若しくは葬送に際し、またこれらの前において、埋葬、火葬、納骨または遺がい若しくは遺骨の回送その他に要した費用
(2)埋葬に際し、施与した金品で、被相続人の職業、財産その他の事情に照らして相当程度と認められるものに要した費用
(3) (1)または(2)に掲げるもののほか、葬式の前後に生じた出費で通常葬式に伴うものと認められるもの
(4)死体の捜索または死体若しくは遺骨の運搬に要した費用
なお、次のものは葬式費用とは認められません。
(1)香典返戻費用
(2)墓碑及び墓地の購入費並びに墓地の借入料
(3)法会に要する費用
(4)    医学上または裁判上の特別の処置に要した費用

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11.相続税額計算の基礎控除

遺産に係る基礎控除は以下のように計算します。

①算式    遺産に係る基礎控除=5千万円+(1千万×法定相続人の数)
※(自民、公明両党は平成25年1月18日、相続税で課税を免除される基礎控除額を現行の5,000万円から3,000万円に引き下げ、課税対象者を増やす方針を決めた、と報道されています。出所:毎日新聞)

②上記計算式における法定相続人の数の留意点にはつぎのようなものがあります。
1.相続人の数がゼロの場合は、5千万円が基礎控除となります。
2.相続の放棄があった場合、放棄が無いものとして相続人を数えます。

相続-1

この場合に、次男、三男及び配偶者が相続を放棄した場合の相続人の人数は4人となります。
相続-2
この場合に、子供全員が相続の放棄をすれば民法の規定により相続人の数は、父、母及び配偶者の三人になりますが、基礎控除の対象となる相続人の数は子供全員と配偶者の4人となります。
3.養子については、以下のように計算されます。
・被相続人に実子がいる場合、養子のうち一人を法定相続人に含めます。
・被相続人に実子がいない場合、養子のうち二人を法定相続人に含めます。
4.相続人となる胎児が相続税の申告書を提出する日までに出生していない場合は、胎児は相続人の人数に含まれません。

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12.各相続人の相続税の計算

①計算方法
相続税の総額に、それぞれ財産を取得した者に係る相続税の課税価格の合計に対する割合を乗じて算出した金額が各相続人等の相続税額になります。すなわち、下記のような按分研鑽を行います。
相続税額総額 × 各相続人が取得する課税価格/課税価格合計
この按分割合算出において、小数点以下二位未満の端数がある場合、その財産の取得者全員の選択した方法により、各取得者の割合の合計値が100%となるよう端数を調整することができます。

②相続税額の加算
相続又は遺贈により財産を取得した者が当該相続又は遺贈に係る被相続人の一親等の血族及び配偶者以外の者である場合、その者の相続税は、上記算出された金額に2割加算した金額となります。

③税額控除等
税額控除等は以下の順番に従って適用されます。

1.贈与額控除
2.配偶者に対する相続税の軽減
3.未成年者控除
4.障害者控除
5.相次相続控除
6.在外財産に対する相続税額の控除

1.贈与額控除
相続又は遺贈により財産を取得した者が当該相続の開始前3年以内に当該相続に係る被相続人から贈与により財産を取得したことがある場合、既に課税された贈与税額を控除することができます。なお、贈与税の配偶者控除の適用を受けた贈与財産は相続税の課税価格に加算されません。

2.配偶者に対する相続税の軽減
配偶者は、1億6千万円の税額までは無条件で免税となり、また法定相続にもとづく配分を受ける限り課税を受けることはありません。なお、内縁関係にあるものはこの配偶者に対する相続税の軽減を受けることはできません。

3.未成年者控除
相続人が法定相続人に該当し、この者が未成年者である場合、次の計算式によって算定された金額が税額控除となります。
6万円×(20歳-その未成年者の相続開始時の年齢)
なお、上記算式で1年未満の端数は切り上げられます。

4.障害者控除
相続人が法定相続人で心身障害者である場合、次の計算式によって算定された金額が税額控除となります。
6万円(特別障害者は12万円)×(70歳-その障害者の相続開始時の年齢)

5.相次相続控除
同じ財産が10年以内に2度以上相続される場合、既に納付した前回の相続税額の一定割合に前回の相続から当該相続の年数(10年が限度)の割合を乗じた金額が相次相続控除となります。

6.在外資産に対する相続税額の控除
国外財産を相続した場合で、当該財産の所在地等である日本以外の国で当該相続に係り課税を受けたときは、外国税額控除として相続税額から控除することができます。

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13.相続税の申告のポイント

相続税の申告納付のポイントは以下です。

①複数の相続人がいる場合、誰が申告するのか。
②どこに申告するのか。
③いつまでに申告するのか。
④どのように納付するのか
⑤遺産分割がまとまらないときはどうするのか。
⑥申告書の構成

①だれが(相続税の申告書提出義務者)
相続税の申告書を提出しなければならない者は、相続又は遺贈によって財産を取得した者で、課税価格算定の一連の手続に基づいて納付すべき相続税額が算出される者です。従って、基礎控除によって算定税額が免除される者については、申告提出の必要はありません。ただし、配偶者については、配偶者控除がなかった場合に税額が算定されるならば、申告書だけは提出しなければなりませんので、注意が必要です。
複数人の相続人がいる場合は、それぞれの相続人が申告提出義務者となります。

②どこに(相続税の申告書の提出先)
相続税法第62条は、上記申告書提出義務者が日本の居住者の場合は、それぞれの住所地へ申告し、非居住者の場合は日本に納税地を定めて申告することとしています。相続人が各地にいる場合、この被相続人の死亡のときにおける住所地の所轄税務署長へ申告書を提出するものとしています。(基本通達27-3)

③いつまでに(相続税の申告期限)
相続税の申告書を提出する義務のある者は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に、課税価格、相続税額を記載した申告書を上記所轄税務署に提出しなければなりません。

④どのように払う(相続税の納付)
相続税は金銭によって納付しますが、複数の相続人がいる場会、各相続人は相続又は遺贈により受けた利益の価額に相当する金額を限度として、互いに連帯して納付する責任があります。
なお、通常の一括納付ではなく、許可を受けた上で、延納や物納が認められるケースがあります。
1.延納
税務署長は、納付すべき税額が10万円を超え、かつ、納税義務者が期限又は納付すべき日までに金銭で納付することが困難である合理的理由がある場合、納税義務者が担保提供関係資料を添えて申請書を提出し、定められた担保に従って年賦延納が認められます。

2.物納
税務署長は、相続税の金銭納付を困難としている金額を限度として、物納を許可することができます。なお、物納の規定は、連帯納付の責任のある者の負担すべき金額には適用がないので、注意が必要です。
物納に当てることのできる財産は、以下のものに限定されています。
1)国債及び地方債
2)不動産及び船舶
3)社債、株式、証券投資信託又は貸付信託の受益証券
4) 動産

⑤遺産分割に時間がかかりそうなとき(申告についての特則)
遺産分割では、相続人間の人間関係が複雑な場合もあり、すんなりと行われないケースは珍しくはありません。また、相続開始後胎児が出生した等新たに権利関係が発生することもあります。そのようなケースを想定して、相続税法は、期限後申告の特則(同第30条)、修正申告の特則(同31条)及び更正の請求の特則(同32条)を設けています。これらについては、加算税なども状況に応じて考慮されますので、それぞれのケースで専門家のチェックを受ける必要があります。

⑥提出する書類は何か(申告書の構成)
提出される申告書は、通常第1表から第15表までとなっています。

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14.財産評価のあらまし

(時価と評価単位)
時価とは?
相続税法第22条は、相続又は遺贈により取得した財産の価額は、特別の規定のあるものを除き、時価によるものとしています。これを受けて、財産評価基本通達では、「時価とは、課税時期(相続又は遺贈により財産を取得した日)において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいう」としながらも、「この通達によって定めた評価額による」と本音をあらわしています。
時価といっても、今すぐに換金実現可能な価額が前提となり、財産評価基本通達でもこの考え方を踏襲し、一般に考える時価より低い金額に評価されます。

評価の単位とは?
相続税における財産の評価は、次のような評価単位ごとにこれを行うこととしています。
①土地及び土地の上に存する権利
②家屋及び家屋の上に存する権利
③構築物
④果樹等及び竹林
⑤動産
⑥無体財産
⑦株式及び出資(別シリーズで検討します)
⑧公社債
⑨定期金に関する権利
⑩生命保険契約に関する権利
⑪信託受益権
⑫その他の財産

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15.土地の評価のあらまし

1.土地の種類
土地は土地及び土地の上に存する権利に分類されます。
土地は以下のような地目により分類されます。
①宅地②田③畑④山林⑤原野⑥牧場⑦地沼⑧鉱泉地⑨雑種地
なお、一つの土地が複数の地目からなる場合は、その現況や利用状況から全体としてどの地目が主たるものかを判定する必要があります。
土地の上に存する権利は以下のように分類されます。
①地上権②区分地上権③永子作権④区分地上権に準ずる地役権⑤借地権⑥定期借地権等⑦耕作権⑧温泉権⑨賃借権⑩占用権
これらの分類のうち、代表的な宅地と宅地の上に存する権利の評価を考えてみることにしましょう。

2.宅地及び宅地の上に存する権利の評価
①評価単位
宅地の価額は「一画地の宅地」(利用の単位となっている一区画の宅地)ごとに評価し、宅地の上に存する権利の評価も同様になされます。この一画地の宅地は必ずしも一筆の宅地からなるとは限らず、二筆以上の宅地からなる場合もあります。
②評価の方法
宅地の評価は、原則として以下の方法によります。
1)市街地的形態を形成する地域にある宅地については路線価方式
2)その他の宅地については倍率方式
③路線価方式
1)対象となる地域
対象となる具体的な地域は、利用状況がおおむね同一して国税局長が掲げる次の地区をいいます。
①ビル街地区②高度商業地区③繁華街地区④普通商業・併用住宅地区⑤普通住宅地区⑥中小工場地区⑦大工場地区
2)路線価
路線価とは、宅地の価額がおおむね同一と認められる一連の宅地が面している路線(不特定多数の者の通行の用に供されている道路をいいます)ごとに設定されている価格で、売買事例、公示価格などを参考に国税局長が毎年路線価図に示す標準的な1平方メートル当たりの価額をいいます。
3)評価額の計算の基本パターン
路線価方式では、その宅地の面する路線の路線価をもとに、その土地の形状により修正を加味して算出する方法をいいます。

相続-3

上記のような例では、500千円×(20m×40m)=4億円と評価されます。
実際にはこのように単純ではなく、奥行価格補正、側方路線影響加算、二方路線影響加算、三方又は四方路線影響加算及び不整形地等の評価を考慮して計算がなされます。
実際には上記のような単純な土地ばかりではありませんので、実情に即した修正計算が行われます。

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16.動産の評価

動産の評価

一般的な動産の評価は、原則として調達価額に相当する金額によって評価することとしています。調達価額とは、相続によって取得した動産の現況を勘案しながら(保有されている動産のそれぞれの状態によります)、それを課税時期に市場から調達する場合に要する値段ということになりますが、実際には現在流通する新品の価額を基に調整するのが一般的です。それでは取得した動産が既に市場で流通しておらず調達価額がわからない場合もありますので、そのような時は、その動産の同種及び同規格の新品の課税時期における小売価額を基礎に、取得したときから課税時期までの期間(1年未満の端数切り上げ)の償却費の合計額または目減りした額(減価の額)を控除することによって算定します。なお、その動産と同種及び同規格の新品がない場合は、その動産と機能を同じくする動産のうち、その動産に最も似ているものの新品の小売価額から、その動産の旧式の程度に応じ、その新品の小売価額の30%の範囲内で相当と認める金額を控除したものがベースとなり、ここから保有期間に応じた償却や目減り部分を減額して評価額を決定します。
償却費の額や減価の額を計算するに当たっては、耐用年数と償却方法が定められています。耐用年数は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令に規定があるものについてはその耐用年数によるものとし、それ以外のものは適宜状況を勘案して見積りによる耐用年数を適用することができます。なお、通達には残価率表が記載され、新品の金額から、取得時より課税時期までの期間の償却費の額の合計額または減価の額を控除した金額を求める場合に使用することが示されています。償却方法は、定率法によるものとされます。
たとえば、家庭用の応接セットを相続した場合、この取得価額が100万円で、既に2年間保有していたとすると、耐用年数が8年で経過年数が2年ですので、残価率は0.562となり、100万円×0.562=56万2千円ということになります。(残価率については、最新の減価償却率を加味して適用してください。)
動産の評価は、原則として1個または1組ごとに評価することとしていますが、申告に際しては、1組という概念を広く捉え、大雑把なくくりで評価しても税務署としてはいちいち細かに算定できない場合が多いので、認めざるを得ないのが現状のようです。

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17.無体財産権の評価

通達では、無体財産の評価は9節に渡って記載され、特許権をはじめとする具体的権利についての評価方法が示されています。その中の代表例である特許権、著作権及び営業権について検討して行きます。

①特許権及びその実施権
・権利者自らが特許発明を実施している場合  営業権の価額に含めて評価
・上記以外                 複利現価の額の合計により評価
複利現価の額の合計とは、特許権に基づき将来受け取る補償金の額を年 分の利率によって算定した金額の合計をいい、次のような計算を行います。
・第1年目の補償金額×1年後の年 分の利率による複利現価率=A
・第2年目の補償金額×2年後の年 分の利率による複利現価率=B
・第n年目の補償金額×n年後の年 分の利率による複利現価率=N
A+B+・・・・・・・・+N=特許権の金額
なお、この式の「第一年目」や「1年後」とは、それぞれの課税時期の翌日から1年を経過する日まで及びその1年を経過した費の翌日までをさします。
また、補償金の額については、将来受ける補償金の額が確定しないものについては、K税時期前の相当の期間内に取得した補償金の額のうち、その特許権の内容等に照らし、その特許権に係る経常的な収入と認められる部分の金額をベースに、その特許権の需要や持続性などの要素を勘案して推参することが認められています。補償金の合計額が50万円未満の少額のケースでは、評価する必要はありません。
補償金を受けることのできる期間は、課税時期から特許法の規定するその特許権の存続期間が終了するまでの年数の範囲内合理的に推計できるものとされます。

②著作権
著作権は原則として著作者別に一括して評価しますが、次のような算式により算定されることになります。
・年平均印税収入の額×0.5×評価倍率
この式の年平均印税収入の額とは、課税時期の属する年の前年以前3年間の印税収入の額の年平均額となります。評価倍率とは、課税時期後における各年の印税収入の額が「年平均印税収入の額」であるものとして、著作物に関し精通した者の意見を勘案して推計した印税収入期間に応ずる年 分の利率による複利年金現価率が適用されます。
なお、個々の著作物に係る著作権について評価する場合がありますが、上記式をそれぞれの著作物に当てはめて集計します。

③営業権
営業権は、次の算定されるによって評価されます。
・平均的利益額×0.5×企業者報酬の額-総資産価額×0.05=超過利益金額
・超過利益金額×営業権の持続年数(原則10年)に応ずる基準年率による複利現価=営業権の価額

なお、医師、弁護士等のようにその者の技術、手腕又は才能等を主とする事業で、その事業者の死亡とともに消滅すると認められる事業の場合は評価しないものとされます。

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18.有価証券のあらまし

①評価単位
株式(正確には新株引受権などの株式に関する権利も含まれます。)の価額は、銘柄の異なるごとに、以下のような区分に従って、1株毎に評価しなければなりません。なお、最近では有価証券が多様化しておりますので、以下の区分のうちどれが適用されるか明確でないものもあり、内容によっては税務署に確認した方が良いでしょう。

1.上場株式
2.気配相場等のある株式
3.取引所の相場のない株式
4.新株引受権
5.株式の引受による権利
6.新株無償交付期待権
7.配当期待権

②上記区分の評価方法の概要
上記区分に従った各株式の内容と評価方法を以下に検討してみます。
1.上場株式
上場株式の評価は、課税時期の最終価格(相続したときの価格)によりますが、この課税時期に最終価格がない場合は、その日以前の最終価格か又はその日以降の最終価格のうち、課税時期に最も近い日の最終価格を適用することを原則とします。
2.気配相場等のある株式
気配相場等のある株式の評価は、イ)課税時期の取引価格、ロ)類似業種比準価額、ハ)イとロ平均額を記載し、その中で一番低いものを評価額とします。公開途上にある株式については、上場または登録に際して公募が行なわれるものは公開価格が評価額となり、公募がないものは課税時期以前の取引価格等を勘案して評価します。なお、上場株式と同様に負担付贈与又は個人間の対価を伴う取引によって取得した気配相場等のある株式は、その株式の課税時期の取引価格(すなわち時価)によって評価されますので注意が必要です。
3.取引所の相場のない株式
取引所の相場のない株式については、その発行会社が通達における大会社、中会社及び小会社のいずれかを判定し、それぞれにおける評価額の算定方法を適用します。
4.新株引受権
新株引受権の価額は、その新株引受権の発生している株式について、上記(1)から(3)までのそれぞれの方法によって算定した評価額から、新株式1株につき払い込むべき金額を控除した金額によって評価することを原則とします。
5.株式の引受による権利
株式の引受による権利の評価は、場合分けをして評価しますが、たとえば会社設立の場合の株式の引受による権利の価額は、課税時期以前にその株式1株につき払い込んだ価格によって評価します。
6.新株無償交付期待権
新株無償交付期待権の評価額は、その新株無償交付期待権の発生している株式については、上場株式をはじめ通達に示される株式の区分に従った評価方法によって算定した評価額に相当する金額によって評価することを原則とします。
7.配当期待権
配当期待権の価額は、課税時期後に受けると見込まれる予想配当金額から当該金額につき源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額を控除したものによって評価することを原則とします。

以上がそれぞれの区分による評価額算定の要旨です。株式については、いろいろな状況が考えられますので、注意が必要です。

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